抄録
症例は46歳,女性.全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus;SLE)に対して長期間のステロイド治療が行われていた.血便を主訴に来院し,大腸内視鏡検査で急性出血性直腸潰瘍と診断された.長期臥床,慢性腎不全,糖尿病,宿便など複数の要因が発症に関与し,通常の止血処置では止血困難であったが,無水エタノール・エトキシスクレロール併用局注法にて止血し得た.難治性の出血性直腸潰瘍では直腸静脈叢の存在を考慮した治療戦略が重要であり,無水エタノール・エトキシスクレロール併用局注法は有効な治療法になりうると考えられた.