抄録
症例は39歳男性.検診の上部消化管造影検査にて異常を指摘され,精査目的で当科受診となった.上部消化管内視鏡検査にて,胃体下部大彎に30mm大の特異な形態を呈する隆起性病変が観察された.生検組織所見は,胃腺窩上皮類似の異型細胞が大小の腺管を形成している像を認めたが,良悪性鑑別診断は困難であった.診断治療目的に,内視鏡的粘膜下層剥離術を施行し,病変を一括切除した.切除標本を用いた病理組織所見は,病変の大半は胃型腺腫と診断されたが,病変粘膜内に異型の強い不整腺管を多中心性に認め,同部を腺癌と診断した.