日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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症例
消化管出血を契機に発見され,バルーン小腸鏡にて切除した 十二指腸孤立性Peutz-Jeghers型ポリープの1例
小林 知樹桑井 寿雄木村 治紀山本 宗平柾木 慶一平田 真由子山口 厚河野 博孝倉岡 和矢谷山 清己高野 弘嗣
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2012 年 54 巻 7 号 p. 2014-2021

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抄録
症例は58歳,女性.急性腎盂腎炎にて入院中にタール便を認め,消化管出血の疑いで当科紹介となった.シングルバルーン小腸鏡検査で十二指腸上行部に表面に血腫の貯留を伴う長径30mmで分葉結節状の有茎性ポリープを認め,ポリペクトミーを行った.病理学的には異型のない腺上皮の過形成と粘膜筋板の樹枝状増生を認めた.特徴的な病理所見に加え,消化管ポリポーシスの家族歴や皮膚・粘膜の色素沈着がなく,その他消化管にポリープのないことから孤立性Peutz-Jeghers型ポリープと診断した.十二指腸の孤立性Peutz-Jeghers型ポリープは比較的稀な疾患であり,文献的考察を加えて報告する.
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© 2012 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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