抄録
症例は73歳男性.2008年に膵頭部の膵管内乳頭粘液性腫瘍に対して膵頭十二指腸切除術(PD)を施行し,2011年2月から急性膵炎を繰り返すようになった.同年5月に原因精査のためダブルバルーン内視鏡(DBE)による膵管造影を試みたが,膵管空腸吻合部を同定できずに終了した.同年8月に再度DBEを施行.この時も吻合部の同定に難渋したが,胆石除去用バルーンカテーテルを内視鏡先端で拡張し,バルーン越しに視野を確保することで,ヒダに埋没していた吻合部を同定できた.PD後の膵管口の同定においては,吻合部狭窄や視野範囲の問題により難渋することを経験するが,本法はその一助になりうるものと考える.