抄録
症例は62歳女性.新鮮血下血にて受診した.小腸造影,経肛門的ダブルバルーン内視鏡にてMeckel憩室と診断し,回腸部分切除術を施行した.術後の病理組織において憩室壁内に紡錘形細胞の増殖を認めた.免疫染色においてc-kit陽性,CD34陽性,desmin陰性,S-100陰性でありGastrointestinal stromal tumor(GIST)と診断した.Meckel憩室壁内にGISTを合併することはまれであるが,Meckel憩室の診断に至った際には,随伴する腫瘍合併の可能性も念頭に置き,検索を進める必要がある.