日本消化器内視鏡学会雑誌
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症例
乳幼児出血性十二指腸潰瘍の3例
須原 寛樹竹内 真実子小屋 敏也鈴木 悠土市川 雄平富田 英臣岡田 明久馬渕 龍彦細井 努山田 雅彦
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2013 年 55 巻 10 号 p. 3375-3381

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抄録

症例1は1歳5カ月女児.上部消化管内視鏡検査(EGD)にて十二指腸潰瘍と診断された.再検時に仮性動脈瘤を認め,コイル塞栓術を施行した.症例2は1歳0カ月女児.EGD,腹部CT検査にて十二指腸潰瘍穿孔と診断し,十二指腸潰瘍穿孔大網充填術,腹腔ドレナージ術を施行した.症例3は2歳10カ月男児.EGDにて露出血管を伴う十二指腸潰瘍を認め,局注法とクリップ法にて止血術を施行した.再検時に露出血管は瘤状に変化しており,十二指腸穿孔部縫縮,胃十二指腸動脈結紮,大網被覆術を施行した.3例ともに術後経過も良好であった.乳幼児消化性潰瘍は重篤化することもあり,集学的治療も念頭に置く必要がある.

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© 2013 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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