日本消化器内視鏡学会雑誌
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食道ESD後の縦隔気腫:その頻度と臨床的意義
前田 有紀平澤 大藤田 直孝鈴木 敬尾花 貴志菅原 俊樹大平 哲也原田 喜博野田 裕
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2013 年 55 巻 10 号 p. 3435-3442

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抄録
【目的】食道ESD後に発生する縦隔気腫の頻度と臨床的意義を検討する.
【方法】2004年3月~2009年4月に食道ESD後にCTで前向きに縦隔気腫の評価を行った105例を対象とした.CTでの縦隔気腫の程度を4段階に分類した.Grade-0,None;縦隔気腫なし.Grade-I,Bubble;食道周囲に限局した泡状の陰影を呈するもの.Grade-II,Localized;胸部大動脈周囲に及ぶ縦隔気腫.Grade-III,Diffuse;心周囲や頸部に及ぶ広範な気腫.Grade-IV,Extensive;気胸や皮下気腫への進展を伴うものとした.CT gradeと胸部単純X線(CXR),臨床症状について比較検討した.
【結果】縦隔気腫はCXRで6.6%に認めた.CTでは63%(Grade 0/I/II/III/IV各々37.1/46.7/10.5/5.7/0%)で,多く(83.8%)はGrade-Iか0であった.CXRで認めた縦隔気腫はGrade II以上であった.Grade IIIの6例中1例はCXRで縦隔気腫を認めなかった.Grade II以上の縦隔気腫発生の危険因子は,筋層露出あり(p=0.008)と病変の局在(Lt,Ae)(p=0.03)であった.より高度の縦隔気腫群で37度以上の発熱期間が長く,CRPも高い傾向がみられた.
【結語】食道ESD後の63%にCTで縦隔気腫を認めたが,多くは無症状であった.CTで高度の縦隔気腫を認めてもCXRでは描出されない症例もあり,注意が必要である.筋層露出と病変の局在が縦隔気腫発生の独立した危険因子であった.
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© 2013 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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