抄録
1995年に疾患概念が提唱されてから,自己免疫性膵炎(AIP)に関する様々な知見が積み重ねられた.現在,AIPは,主に国際コンセンサス診断基準(ICDC)に基づき診断される.ICDCは,組織学的診断を重要視しているが,EUS-FNAにより採取された組織は対象とされていない.近年,EUS-FNAを用いて採取した組織を用いたAIP診断の報告が散見される.本稿では,EUS-FNAを用いてAIPの組織を採取し診断する要点につき概説する.本稿で紹介した手技が普及し,AIPの診断と研究がさらに発展することを期待したい.