日本消化器内視鏡学会雑誌
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症例
上部消化管内視鏡検査により発症したと思われた, 腹腔内遊離ガスを伴う腸管嚢腫様気腫症の1例
山口 哲司大上 英夫塚田 一博
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2013 年 55 巻 4 号 p. 1467-1472

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抄録
症例は82歳の女性.脳梗塞後の嚥下障害のため,経皮内視鏡的胃瘻造設術(percutaneous endoscopic gastrostomy:以下PEG)を予定した.PEG前評価として,経鼻内視鏡検査を行い十二指腸球部まで粗大病変がないことを確認した.胃内にガスを充満させた状態で,直後に腹部単純CTを行ったところ,腹腔内遊離ガスを伴った結腸型腸管嚢腫様気腫症(pneumatosis cystoides intstinalis:以下PCI)を認めた.臨床所見に乏しく保存的加療を選択し,増悪することなく改善した.上部消化管に狭窄や潰瘍病変がない症例で,内視鏡検査後に発症したと思われるPCIの1例を経験したので報告する.
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© 2013 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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