2013 年 55 巻 5 号 p. 1650-1654
74歳男性.胃癌に対する幽門側胃切除,Roux-en-Y再建術後,胃空腸吻合部通過障害を生じた.再吻合を施行したが,通過障害は遷延し,Roux stasis syndrome(RSS)と診断した.
胃減圧と長期栄養管理のため,経皮内視鏡的胃瘻造設術,percutaneous endoscopic gastrostomy(PEG)を施行し,経胃瘻的に空腸カテーテル(PEG-J)を留置した.134日後に食事摂取可能になりカテーテルを抜去した.
PEG-Jにより中心静脈カテーテルや経鼻胃管の長期留置を回避できることからRSSに対する長期保存治療の1選択肢になりうると考えられた.