抄録
【目的・方法】抗血栓療法中の胃ESD症例277例を対象とし,薬剤別に後出血率,後出血発症日,後出血時の内服再開率を検討する.【結果】内服薬別の後出血率はチエノピリジン誘導体内服あり群13.3%,なし群2.7%と,内服あり群で高かった(p<0.001).後出血発症日はチエノピリジン誘導体内服あり群10.3±4.9日,なし群4.2±4.3日と,内服あり群で遅かった(p=0.03).後出血時の内服再開率はチエノピリジン誘導体内服あり群91.7%,なし群20.0%と,内服あり群で内服再開率が高かった(p=0.003).2002~2007年(前期群)と,2005年消化器内視鏡学会ガイドラインを踏まえた休薬期間の短い2008年以降(後期群)での後出血率は有意差を認めなかった.【結論】チエノピリジン誘導体は抗血栓薬の中でも特に強いESD後出血のリスク因子で,多くは内服再開後の遅い時期に後出血を来たした.