抄録
【目的】早期の胃粘液癌における特徴的な内視鏡所見を抽出すること.【方法】2007年7月からの4年6カ月間に当科にて経験した,早期の胃粘液癌6例にNBI併用拡大観察を行い,粘液癌部に相当する組織所見と内視鏡所見を対比した.【結果】5例がpap-tub1-tub2など分化型腺癌由来,1例はsig由来であった.前者では不整な顆粒・乳頭状構造内に白色物質が不規則に散在していた.組織学的には粘膜深層で脱分化,小型化した癌腺管が粘液湖内を浮遊する粘液癌となり,白色物質は癌腺管群の間から排出する粘液に一致していた.後者の表面構造は不鮮明となり,不整でnetworkを形成しない血管群の間に白色物質が観察された.この円形で大小不同の白色物質は83%に認められた.【結論】不整な顆粒・乳頭状の表面構造を示す早期胃癌内に,円形で大小不同の白色物質を認めた場合には分化型腺癌由来の粘液癌である可能性がある.