抄録
症例は70代の女性.S状結腸癌の術前スクリーニングの上部消化管内視鏡検査(EGD)で噴門下部後壁に亜有茎性の隆起性病変を認めた.鉗子を用いた観察では病変基部には随伴病変は認めなかった.頂部から生検を施行したところ中分化型から高分化型管状腺癌の診断となり,S状結腸癌の術後に内視鏡治療を予定した.しかし3カ月後,7カ月後にEGDを施行するも病変は同定出来ず,15カ月後のEGDで病変が存在していた部位に0-IIc型癌を認め,内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)にて治療した.0-I型から0-IIc型への形態変化の経過を詳細に追えた早期胃癌の症例は稀と考え報告した.