抄録
症例は73歳男性.食道癌で食道亜全摘術ならびに後縦隔胃管再建術を施行された6年後に,早期胃管癌に対してESDを施行された.穿孔などの偶発症は認められなかったが,術翌日から発熱と右胸水が出現したため,縦隔炎や胸膜炎と考えられた.絶食と抗生剤投与を受け改善したが,術3週間後に,再び発熱が出現し再入院した.右膿胸を呈しており,胸腔ドレナージ術を施行された.排液は乳糜であった.絶食と抗生剤投与を施行され,1カ月半後に退院した.胃管癌のESD後に膿胸や乳糜胸を合併した報告はなく,非常に稀な症例と思われた.