抄録
症例は46歳,女性.膵癌に対する膵頭十二指腸切除術IIA再建後に胆管空腸吻合部から肝門部にかけての再発による閉塞性黄疸を発症した.ダブルバルーン小腸内視鏡(Double balloon enteroscopy;DBE)を用いることで,再発部の組織学的評価,胆管造影による狭窄の確認のみならず,吻合部をまたいで金属ステント(Metallic stent;MS)を肝門部に複数本留置することが可能であり,術後良好な減黄が得られた.一般に,DBEを用いて胆管造影を行う場合には挿管が困難なことや,特に胆管吻合部癌浸潤例などでは開口部の確認さえも困難なことがあるが,本例のように狭窄した吻合部をまたぐようにMSを留置すると大開口が得られ,次のアプローチが容易となる.これにより閉塞した際の再処置が容易になるばかりでなく,ステント内から他の枝へアプローチすることで複数枝のドレナージが容易になる場合がある.