抄録
高確信度の内視鏡診断に基づきポリープの取り扱いを決定し病理診断を省略する“Resect and Discard” strategyは,不要なポリープ摘除に伴う有害事象とコストの低減,及び10mm未満のポリープ摘除後の組織診断に関わるコストと労力の削減につながる魅力的な提案である.しかし,その実践には1)腫瘍・非腫瘍の高い鑑別能,と2)浸潤癌の正確な診断,が必須となる.米国消化器内視鏡学会は5mm以下のポリープを対象とすること,及び,1)90%以上の次回検査間隔の正診割合と2)90%以上の直腸S状結腸の腫瘍性ポリープに対する陰性適中割合の2つの閾値を満たすような技術で行うことを提唱している.
今後は,教育システムなど解決すべき問題が山積しているものの,病理診断に近づくことを目標としてきた内視鏡診断にとって,“Resect and Discard” strategyは実践されるだけの十分な理由があり,今後の動向に注視する必要がある.