抄録
56歳男性.倦怠感と食欲不振を主訴に前医を受診し,Hb 3.2g/dlと著明な貧血を指摘され当院紹介となった.上部消化管内視鏡検査で十二指腸球部に潰瘍を認めたため,緊急入院し保存的加療となった.入院第8病日の内視鏡施行時に上十二指腸角の潰瘍から噴出性出血を認め,内視鏡的止血術で止血が得られた.同日造影CT施行し胃十二指腸動脈瘤を認め,保存的に加療していたが,第10病日に再出血したため,内視鏡的止血が困難と判断し,胃十二指腸動脈瘤に対し動脈塞栓術を施行し止血を得た.胃十二指腸動脈瘤の十二指腸穿破は,内視鏡的止血術が困難とされており,本疾患が疑われた際には,内視鏡治療に固執せず手術や動脈塞栓術へ移行することが重要である.