抄録
アフタ性大腸炎を契機として多発アフタ型クロ-ン病と診断し得た3症例において上部消化管病変のまとめを行った.全例でクローン病の特徴的胃十二指腸病変とされる竹の節状外観を認め,同部からの生検で3例中2例非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認めた.アフタ性大腸炎の鑑別上,生検を含めた上部消化管検索は有用であった.また生検中46%にfocally enhanced gastritisを認めた.特に非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認めたすべての生検で認めた.生検でfocally enhanced gastritisを認めた場合,連続切片などの詳細な検討を行うことで肉芽腫検出率向上が期待される可能性も示唆された.