抄録
症例は41歳,男性.以前から紫斑の出現と消失を繰り返しており,IgA血管炎(Henoch-Schönlein)が疑われていた.今回,腹痛を主訴に来院し,その際にも両下腿に紫斑が散在していた.CT検査で回盲部に腸重積を認め,注腸整復を行ったが完全には整復できなかった.整復と先進部の病変を確認する目的で下部消化管内視鏡検査を施行したところ,上行結腸内に浮腫状の暗赤色の盲腸粘膜を認め,盲腸の粘膜下血腫を先進部とした腸重積と診断した.保存的治療で腹痛,下腿の紫斑,粘膜下血腫は軽快し,第7病日に退院となった.紫斑部の皮膚生検を施行し,IgA陽性と白血球破壊性血管炎を認めIgA血管炎(Henoch-Schönlein)の診断となった.内視鏡検査は病状の進行,診断および治療方針を選択する上で有用であった.