抄録
症例は58歳,男性.生来健康であったが,食事の際に嚥下障害を自覚するようになった.徐々に食事摂取ができなくなり当院を受診.内視鏡検査にて下咽頭左梨状陥凹に黄色調で3cmほどの粘膜下腫瘍様腫瘤を認めた.MRI検査ではT1/T2強調像にて均一の高信号を呈する腫瘤であることから脂肪腫を最も疑った.耳鼻咽喉科協力のもと,全身麻酔下に彎曲型咽喉頭直達鏡を用いて喉頭展開しESDを行い一括切除した.病変は35×32×27mmであった.病理結果は脂肪腫であった.術後経過は良好で症状は消失した.咽頭脂肪腫はまれな疾患であるが,内視鏡検査時に遭遇する可能性がある.治療においてESDが有用であった.