抄録
症例は80歳,男性.近医での上部消化管内視鏡検査にて胃体上部前壁に腫瘤性病変を認めたため精査目的に当院を紹介となった.胃腫瘤性病変は生検にて低分化型腺癌と診断されたが,腹部CT検査で縦隔,腹部傍大動脈領域,骨盤内に極めて広範囲のリンパ節腫大が認められたため,診断目的に複数の腹腔内リンパ節に対してEUS-FNAを施行した.組織所見では上皮系細胞は認めず,免疫組織化学染色,フローサイトメトリーの結果よりマントル細胞リンパ腫(MCL)と診断した.MCL(Stage IVA)が予後規定疾患と考えられたため血液内科での化学療法を先行した.胃癌とMCLの合併はまれであるが,腹腔内リンパ節へのEUS-FNAが診断及び治療方針決定に有用であった症例を経験したので報告する.