日本消化器内視鏡学会雑誌
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胃酸分泌能の内視鏡診断
八田 和久 飯島 克則小池 智幸近藤 穣荒 誠之浅沼 清孝宇野 要浅野 直喜今谷 晃下瀬 川徹
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2016 年 58 巻 10 号 p. 2222-2231

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抄録

背景と目的:胃酸分泌異常は,Helicobacter pyloriH. pylori)感染に伴う様々な疾患に関連する.だが,多くの微小内視鏡所見と酸分泌能の関連性を同時に調べた研究は,これまでに報告されていない.そこで,本研究では,高酸と低酸の診断に有用な微小内視鏡所見を明らかにすることを目的とした.

方法:1999年から2012年の間,当院にて上部消化管内視鏡とガストリン刺激にて胃酸分泌能を評価するEndoscopic gastrin test(EGT)を行った器質的疾患のない223例を対象とし,後方視的に解析した.2名の対象者情報を知らない内視鏡専門医がそれぞれ別個に内視鏡画像を見直し,内視鏡所見を記録した.

結果:EGT値より,対象者を高酸群,正酸群,低酸群の3群に分類した.全対象者での検討では,ヘマチン(オッズ比[95%信頼区間]=3.32[1.40-7.83]),前庭部びらん(2.88[1.26-6.70])が高酸を有意に示唆する内視鏡所見であり,胃小区腫大(14.4[5.74-36.1]),萎縮(open type)(15.1[7.35-31.1])は低酸を有意に示唆する内視鏡所見であった.また,高酸を有意に示唆する内視鏡所見はH. pylori感染の有無によって異なり,H. pylori陽性者ではヘマチン,H. pylori陰性者では前庭部びらんであった.一方,低酸を有意に示唆する内視鏡所見は,H. pylori感染の有無に関わらず一定であった.

結論:本研究では,H. pylori感染の有無に関わらず,内視鏡所見から酸分泌能を推定することが可能であった.これらは,酸関連疾患に対するリスク評価の一助となりうる.

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© 2016 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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