日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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症例
膵頭部分枝膵管に迷入した膵管ステントを内視鏡的に回収した1例
飯塚 泰弘 間野 真也小林 克誠古本 洋平淺野 徹堀内 亮郎佐﨑 なほ子忠願寺 義通藤木 和彦
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2016 年 58 巻 11 号 p. 2287-2293

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抄録

症例は53歳女性.重症胆石性膵炎の加療後に膵仮性嚢胞を認め,主膵管の狭窄も認めたため7Fr 7cmストレート型プラスティックステント(以下PS)を留置したが経過中にPSの迷入を認めた.PS乳頭側端は膵頭部分枝膵管に迷入したと考えられ,バスケットカテーテルやバルーンカテーテルでは回収することができなかった.膵尾側のフラップからガイドワイヤー(以下GW)を挿入し,GWを介してPS用プッシャーで尾側へ押しこむことで乳頭側端を主膵管に戻し,ステントリトリーバーを用いて回収することができた.膵頭部分枝膵管への迷入のため外科的手術に回収が必要であった報告もあり,同様の症例に対して本症例が参考になると考えここに報告する.

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© 2016 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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