2016 年 58 巻 11 号 p. 2279-2286
70歳女性.膵胆管合流異常にて肝外胆管切除,胆管空腸吻合術施行.1年後に急性胆管炎を発症し経皮経肝胆道ドレナージを施行した.その後に内瘻化を企図したが高度の吻合部狭窄にて通過困難であった.経皮経路より気管支内視鏡を用いた観察にて吻合部にpin hole状の瘢痕狭窄を認め,同部をガイドワイヤーで通過し内外瘻チューブを留置しえた.その後,狭窄部にフルカバー金属ステントを留置した.拡張は良好であり,留置4カ月後に抜去した.造影検査でも吻合部は良好に開存しており外瘻チューブも抜去した.フルカバー金属ステントは持続的に狭窄部を拡張し抜去も可能である.本法は良性胆道狭窄に対し有効で実行可能な治療法と考える.