抄録
内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST,endoscopic sphincterotomy)後の止血が困難であったが,直視鏡によるクリッピング止血術が奏功したEST後出血の2例を経験した.2症例とも総胆管結石除去目的にESTを施行したが,切開後の乳頭より出血を認めた.側視鏡下にスフィンクテロトームによる凝固焼灼術,採石バルーンによる圧迫止血術およびエピネフリンやエタノールの散布・局注による止血術を施行したが,止血困難であった.そこで直視鏡下にクリッピング止血術を施行し止血を得ることに成功した.従来の方法で止血困難なEST後出血に対して,直視鏡によるクリッピング止血術が有効であり,その有用性と問題点を考察した.