日本消化器内視鏡学会雑誌
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POEM 進化する手技と適応
南 ひとみ井上 晴洋Haji Amyn磯本 一卜部 繁俊橋口 慶一松島 加代子赤澤 祐子山口 直之大仁田 賢竹島 史直中尾 一彦
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2016 年 58 巻 7 号 p. 1259-1266

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抄録
食道アカラシアは,株食道括約筋の弛緩不全に起因する食道の機能性疾患であり,現時点では食道胃接合部の強制的な解放が治療の本流となっている.比較的低侵襲であるものの高い再発率が問題となる内視鏡的バルーン拡張術や外科的筋層切開術にかわる新たな低侵襲治療としてPOEM(内視鏡的食道筋層切開術,Per-oral endoscopic myotomy)が注目されている.
POEMは,ほぼすべての食道アカラシアに対して適応があると考えられ,術後再発例やS字型の難関例に対しても良好な成績が報告されている.また,びまん性食道痙攣やnutcracker食道に対しても有用とされており,症例報告レベルではあるが症例が蓄積されつつある.われわれの施設では,これまでにPOEMの手術に伴う重篤な合併症の報告はなく,安全性についても期待されている.
POEMの応用として,食道の粘膜下腫瘍に対するPOET(per-oral endoscopic tumor resection)などが派生し,また筋層に直接アプローチ可能な手法として,本疾患群の病態解明に向けた新たなアプローチが生まれつつある.
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© 2016 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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