日本消化器内視鏡学会雑誌
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症例
多発性扁平隆起像を呈したA型胃炎の1例
新宅 雅子西上 隆之徳原 満雄進藤 嘉一関 守一若狭 研一
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2016 年 58 巻 8 号 p. 1331-1336

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抄録

症例は41歳女性.健診で貧血と胃X線検査で多発胃ポリープを指摘され,受診した.内視鏡検査では前庭部に萎縮を認めず,胃体部大彎は高度に萎縮し,小彎,前後壁に多数の扁平隆起が島状に存在する像を示した.大彎粘膜からの生検では壁細胞,主細胞が消失し,enterochromaffin-like cellの過形成を認めた.抗壁細胞抗体陽性であり,A型胃炎と診断した.扁平隆起からの生検では胃底腺の萎縮を認めず,間質にリンパ球を主体とする中等度の炎症性細胞浸潤を認め,一部は胃底腺内に浸潤していた.本症例は小彎,前後壁に多発する扁平隆起を特徴とする内視鏡像を呈したA型胃炎の一例である.

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© 2016 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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