日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
手技の解説
十二指腸静脈瘤破裂に対する治療
野口 謙治
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2017 年 59 巻 1 号 p. 81-90

詳細
抄録

十二指腸静脈瘤は,食道胃静脈瘤を除いた異所性静脈瘤の一つで比較的まれな疾患であり,一旦破裂すると出血量も多く致命的となりうる.その治療法は確立されたものはまだなく,EIS(Endoscopic injection sclerotherapy)による内視鏡的治療やIVR(Interventional Radiology)による塞栓療法を用いて症例に応じて加療されているのが現状である.治療前には3D-CTを用いて血行動態を評価することが重要である.破裂時の治療としてはシアノアクリレート系薬剤を用いたEISが望ましい.EISの際は腹臥位で行うと手技が安定する.一時止血後に静脈瘤が残存していればEISないしIVRによる追加治療を行う.

著者関連情報
© 2017 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top