オレオサイエンス
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特集総説論文
植物におけるグリコシルイノシトールホスホセラミド(GIPC)とその分解酵素
田中 保
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2025 年 25 巻 9 号 p. 397-404

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抄録

グリコシルイノシトールホスホセラミド(GIPC)は植物スフィンゴ脂質の中で,最も豊富な脂質クラスであり,植物の細胞膜を構成する主要脂質の1つである。GIPCの構造が決定されてから,既に60年を経ているが,GIPCの代謝経路や生理的役割は未解明な点が多く,産業的にも利用されていない。GIPC研究の難しさは,GIPCが脂質でありながら,水溶性であることにあり,一般的な脂質抽出法が適用できない。また,標準品も存在しないため,GIPCの単離は簡単ではない。この総説では,GIPCの単離精製法とGIPCをDポジションで分解するホスホリパーゼDについて解説する。

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