2017 年 59 巻 10 号 p. 2535-2545
食道ESDは2008年に保険収載となり,難易度がやや高いものの低侵襲・高い根治性により全国的に広く普及してきている.
一方で,3/4周以上の広範囲剥離症例では術後狭窄が高頻度に起こり,頻回の拡張術が必要となるため,患者や医療経済上の負担が大きいことが問題となっており,その克服が食道ESD普及の最大の課題となっている.
このような広範囲剥離症例に対しわれわれは,ステロイド投与,細胞シート移植療法により有意に狭窄率を低減可能であることを報告してきた.
そこで今回,ステロイド経口投与・局注療法の有用性とその限界,さらに,それら狭窄予防治療抵抗性症例に対するステロイド経口+局注併用療法の有用性を検討した.
【本項のポイント】食道ESD後狭窄予防にSH投与,細胞シート移植はいずれも有用であるが,1.切除範囲:9/10周以上,2.切除長軸径:5cm以上,3.頸部食道,4.CRT/ER治療歴のうち2因子以上を満たす症例は,狭窄予防治療抵抗性症例であった.
そのような治療抵抗性症例に対してSH経口+局注併用療法が有用である.