日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
資料
非切除悪性遠位胆管閉塞に対する大口径fully‒covered self‒expandable metallic stentの多施設共同観察研究
向井 強 安田 一朗伊佐山 浩通岩下 拓司糸井 隆夫河上 洋木暮 宏史中井 陽介
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2017 年 59 巻 10 号 p. 2546-2556

詳細
抄録

目的:非切除悪性遠位胆管閉塞に対するcovered self-expandable metallic stent(CSEMS)はtumor ingrowthを予防できるため,uuncovered self-expandable metallic stentより長期の開存期間が期待できる.また,CSEMSのrecurrent biliary obstruction(RBO)の主因であるsludgeによるステント閉塞は,ステント径が大きいほど低率になると報告されている.そこで,われわれは12mm径のfully-covered SEMS(FCSEMS-12)を開発し,臨床的安全性および有用性に関する前向きの多施設共同観察研究を行った.

方法:2011年6月から2012年11月の期間に非切除悪性遠位胆管閉塞38例に対してFCSEMS-12を留置した.主要評価項目はステント留置から6カ月後のnon-RBO率とした.

結果:手技的および臨床的成功率ともに100%であり,ステント留置6カ月後のnon-RBO率は50%であった.TRBO中央値は184日,生存期間中央値は241日であり,6カ月以内にRBOなく死亡されたのは12例(32%)であった.RBOは10例(26%)で認められ,ステント閉塞は7例(18%),migration 3例(8%)であり,30日以内の早期偶発症を6例(16%;胆嚢炎1例,膵炎1例,高アミラーゼ血症1例,膵管炎1例,腹痛2例)に認めた.reinterventionの際にステント抜去を試みた8例全例で抜去に成功した.

結語:われわれが開発したFCSEMS-12の使用は安全で有効性も高く,偶発症発生率も容認できると考える.

(Clinical trial registration number:UMIN000007061)

著者関連情報
© 2017 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top