2017 年 59 巻 12 号 p. 2693-2706
超音波内視鏡ガイド下治療は,超音波内視鏡下穿刺吸引法のadvanced techniqueとして現在発展を遂げてきている.膵仮性嚢胞ドレナージ術や,胆管・膵管ドレナージ術など様々な報告がなされている.本手技の発展により,今まで治療困難であった病態に関しても治療可能となり,その有用性が期待される.手技成功率は,一般的に良好である報告が多いが,一方でその偶発症の頻度も高く報告されている.中には重篤で,時として致死的な偶発症も報告されている.本手技を施行するにあたっては,起こりうる偶発症の種類を熟知し,生じた場合の対処法を知っておくことが大切である.何より,偶発症を生じないよう,防止策を二重,三重に講じておくことが極めて重要である.