2017 年 59 巻 5 号 p. 1329-1334
症例は82歳,女性.右季肋部痛で当院に受診され,軽症急性胆管炎の診断で内視鏡的胆管ドレナージ目的にERCPを施行した.十二指腸主乳頭(以下乳頭)は傍乳頭憩室内に位置しており,十二指腸鏡を用いた通常の方法では乳頭近接や胆管挿管は不可能であった.そこで,透明フードを装着した直視鏡に内視鏡を変更することで乳頭正面視が容易となり,膵管ステント留置に成功した.膵管ステントにより乳頭が憩室外に位置調整され,ERCPを完遂することが可能となった.本法は高侵襲な処置や難易度の高い処置を行わずに胆管挿管可能であり有用な方法と考えられる.本症例のような憩室内開口症例に対しては一つの有効な選択肢として優先されるべきであると考えられた.