2017 年 59 巻 9 号 p. 2410-2415
症例は73歳,女性.胃体部小彎の脂肪腫を経過観察中.定期的な上部消化管内視鏡検査にて,増大傾向の脂肪腫上に0-Ⅱc型6mm大の高分化型腺癌を認めた.早期胃癌の治療および脂肪腫の縮小を目的に,全周切開を併用した内視鏡的開窓術(endoscopic unroofing法)を施行した.この方法により,比較的簡便に早期胃癌の治癒切除と胃脂肪腫の縮小が得られた.全周切開併用endoscopic unroofing法は脂肪腫上の粘膜内癌を比較的簡便に治癒切除することが可能な手技であり,文献的考察も加え報告する.