日本消化器内視鏡学会雑誌
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症例
生検後に自然消退したと考えられた横行結腸癌の1例
吉田 健太澤谷 学三上 達也 羽賀 敏博菊池 英純珍田 大輔下山 克鬼島 宏佐々木 賀広福田 眞作
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キーワード: 大腸癌, 自然消退, 生検
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2018 年 60 巻 10 号 p. 2303-2309

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抄録

症例は73歳,男性.便潜血検査陽性を契機に下部消化管内視鏡検査を施行し,横行結腸に隆起性病変を認めた.拡大内視鏡・超音波内視鏡検査で粘膜下層深部へ浸潤をきたす癌と診断し,生検で中分化型管状腺癌の確定診断となった.外科的腸切除の方針となったが,生検80日後に施行した術前マーキング時の内視鏡検査では病変部の瘢痕化を認めた.腹腔鏡補助下結腸右半切除術が施行されたが,手術標本の病理組織では腫瘍細胞を認めず,大腸癌の自然消退と考えられた.

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© 2018 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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