日本消化器内視鏡学会雑誌
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バレット食道の内視鏡治療:欧米の視点から何を学べるか
島村 勇人岩谷 勇吾郷田 憲一Christopher W. Teshima
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2018 年 60 巻 12 号 p. 2530-2541

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抄録

バレット食道,腺癌は欧米で近年増加しており,本邦含めアジア諸国でも増加傾向である.バレットdysplasiaおよび表在型腺癌に対しては内視鏡治療が第一選択であるが,標準治療は未だ確立していない.内視鏡治療に関する大多数のエビデンスは欧米から発信されており,同時性多発癌に対する治療および異時性多発癌の予防を目的としてバレット食道腺癌のみならず,発生母地である背景粘膜のバレット食道も含めた完全根治が治療のゴールとされている.欧米では内視鏡的切除とラジオ波治療(Radiofrequency ablation:RFA)を組み合わせた治療が中心となっている.一方で,RFAの使用が制限されているアジアではバレット食道腺癌の内視鏡的切除が治療の中心となっている.このように欧米とはバレット食道に対する治療方針が大きく異なり,われわれはこの相違を最新のエビデンスに基づいて理解することが重要である.したがって,本稿では最新のエビデンスをまとめ,主に欧米でのバレット食道治療について概説する.

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© 2018 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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