日本消化器内視鏡学会雑誌
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総説
H. pylori 陰性胃癌
藤崎 順子 堀内 裕介平澤 俊明山本 頼正五十嵐 正広
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2018 年 60 巻 8 号 p. 1450-1463

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抄録

Helicobacter pyloriHP)陰性胃癌とは,大きくわけて,未感染,除菌後,既感染の3種類に分けられる.今回はHP陰性胃癌のなかで未感染胃癌,除菌後胃癌の特徴について述べる.未感染癌は,HP感染とは全く別の理由で胃癌が発生している癌であり,未分化型癌,胃底腺型胃癌が代表的なものである.未分化型腺癌の多くは印環細胞癌で褪色調のⅡc,Ⅱb病変であることが特徴である.胃底腺型胃癌は体部腺領域に発生し,粘膜下腫瘍様の形態を呈する腫瘍である.また遺伝的な背景をもつもののなかに,遺伝性びまん胃癌,家族性大腸ポリポーシスに伴う胃癌がある.その他には自己免疫性胃炎に伴う胃癌,EBV関連胃癌があげられる.これらの特徴を知ることはHP未感染背景の胃粘膜に生じうる胃癌の発見に重要である.除菌後胃癌の多くは分化型癌であり,平坦陥凹型を呈することが報告されている.除菌後分化型癌では表層粘膜をnormal epithelim,もしくはepithelium with low grade atypia(ELA)が覆い,NBI拡大内視鏡で胃炎様の変化が癌部に現れる現象や,生検診断や,癌の範囲診断が難しい症例が報告されている.

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© 2018 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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