本邦では高齢化に伴う大腸憩室症の増加,また背景の併存疾患増加を受けて大腸憩室出血の頻度は高まり,臨床的重要性が増している.大腸憩室出血は間欠的な動脈出血を来すという疾患特性からしばしば内視鏡診断に難渋する.自然止血率も高いが,適切な内視鏡治療がなされないと再出血率も高い.クリップ法や結紮法といった内視鏡治療は止血率が高く有効であるが,そのためには内視鏡検査でSRH(stigmata of recent hemorrhage)の所見を捉えることが必須である.出血後できるだけ早期の大腸内視鏡検査,造影CT検査を行い,また新しい責任憩室同定法“step clipping”法などを用いることで出血源の診断率向上が期待できる.