日本消化器内視鏡学会雑誌
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症例
内視鏡的胃十二指腸用ステント留置術後に胃切除術を施行した幽門狭窄を伴う進行胃癌の1例
中村 祐介 唐木 洋一福田 啓之阿部 径和
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2019 年 61 巻 1 号 p. 49-54

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抄録

症例は79歳男性.数日来持続する胃痛と突然の嘔吐を主訴に当院へ救急搬送された.精査の結果,幽門狭窄を伴う進行胃前庭部癌と誤嚥性肺炎を指摘された.入院後,胃管による胃内容のドレナージを試みたが効果は不十分であったため,胃癌狭窄部に対して内視鏡的胃十二指腸ステント留置術を施行した.留置後は良好なドレナージが得られ,肺炎の軽快を得た.その後胃切除術を施行し,患者は術後12日目に合併症なく退院した.胃癌術前症例に対する内視鏡的胃十二指腸ステント留置術についての報告はこれまでに僅かであり,その安全性や有効性はいまだ明らかでない.この度自験例で得られた有用性について文献的考察と共に報告する.

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© 2019 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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