2019 年 61 巻 11 号 p. 2518-2530
食道の内視鏡切除後に発生する狭窄は,嚥下障害を来したりバルーン拡張が必要となるため,患者のQOLを低下させる.この狭窄を予防するため,各種方法が開発されている.これらの中では,ステロイド局注法が最も多く用いられており,非全周切除例に対する標準的な狭窄予防法である.しかし,全周切除例では,ステロイド局注法で十分な効果が得られないため,より強い効果が見込めるステロイド経口法が行われている.これらのステロイド治療,即ちステロイド局注法と経口法は,低コストで有効な方法ではあるが,食道壁が脆弱となり,バルーン拡張時に穿孔のリスクが高まるなどの問題点もある.そのため様々な革新的方法,例えばポリグリコール酸を用いた組織被覆法,自己口腔粘膜シート移植などの再生医療的アプローチ,ステント留置などが開発されている.これらの新しい方法は有望であるが,現時点では有用性に関するデータが不足しているため,今後さらなる検討が必要である.