2019 年 61 巻 6 号 p. 1226-1230
近年,白色球状外観(white globe appearance;WGA)は,胃癌診断に有用な内視鏡的マーカーとして注目される.一方で,非癌病変におけるその臨床的有用性は未だ明らかでない.そこで今回われわれは,多発性のWGAがみられたA型胃炎の1例を報告する.白色光観察にて萎縮粘膜に複数の白点が視覚的に捉えられ,狭帯域併用拡大内視鏡下にてWGAであることが示唆された.白点部の生検では,拡張した腺管内に好酸球性の壊死物質が貯留した病理学的所見を認め,intraglandular necrotic debris(I N D)に合致する所見であった.本例は,非癌病変におけるWGAの臨床的意義を検討する上で,学術的に問う貴重な症例と思われる.