2019 年 61 巻 6 号 p. 1231-1236
70歳代男性.1カ月間持続する黒色便にて当科紹介となった.上下部消化管内視鏡検査では,明らかな出血源を認めなかった.小腸出血を疑いカプセル内視鏡検査を施行したところ,全小腸にわたり多発する隆起性病変を認めた.ダブルバルーン小腸内視鏡検査を行いジャンボバイオプシー目的の内視鏡的粘膜切除術(Endoscopic mucosal resection:EMR)にて海綿状血管腫と診断した.後日多発する血管腫に対してpolidocanol(AethoxysklerolⓇ)による硬化療法を行った.4日後の内視鏡観察では,血管腫は縮小を認め,以後黒色便も消失した.小腸に多発する血管腫に対して内視鏡的硬化療法が有用であった1例を経験したので報告する.