2019 年 61 巻 6 号 p. 1283-1319
日本消化器内視鏡学会は,新たに科学的な手法で作成した基本的な指針として,「早期胃癌の内視鏡診断ガイドライン」を作成した.内視鏡での早期胃癌診断は精度の高い検査としてその有用性が認知され,近年普及してきている.この分野の情報はエビデンスレベルが低いものが多く,専門家のコンセンサスに基づき推奨の強さを決定しなければならないことが多かった.本診療ガイドラインは,[Ⅰ]内視鏡検査施行前の胃癌のリスク層別化,[Ⅱ]早期胃癌発見,[Ⅲ]早期胃癌の質的診断,[Ⅳ]胃癌の治療方針を決定する診断,[Ⅴ]内視鏡検査後のリスク層別化,[Ⅵ]早期胃癌のサーベイランスの6つの項目に分け,現時点での指針とした.