2019 年 61 巻 9 号 p. 1643-1649
十二指腸憩室出血の6例を経験した.上部消化管出血の症例において,食道,胃,十二指腸球部までに明らかな出血源が認められない場合や,画像検査で十二指腸憩室を認める場合は,十二指腸憩室出血を鑑別に挙げて,水平部まで慎重に観察することが望ましい.直視鏡に透明フードを装着することで,十二指腸憩室内へのアプローチ,視野確保が比較的容易となり,憩室内の凝血塊,食物残渣の除去にも有用であった.十二指腸憩室の多くは仮性憩室であり,出血源として露出血管を認めることが多いことから,組織破壊が少ないクリップ法は安全性に優れ,有用な止血法と考えられた.