日本消化器内視鏡学会雑誌
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手技の解説
大腸endocytoscopy観察と診断の方法
三澤 将史 工藤 進英中村 大樹石垣 智之豊嶋 直也工藤 豊樹
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2020 年 62 巻 1 号 p. 74-84

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抄録

Endocytoscopy(以下EC)は消化管上皮を520倍の拡大倍率で観察することにより,生体内で細胞異型の評価が可能となった新世代の内視鏡である.ECの開発は,2004年のプローブ型内視鏡(XEC-300,450倍;XEC-120,1,100倍)による食道観察からその歴史が始まった.その後10年以上の開発期間を経て,2018年に大腸超拡大内視鏡(CF-H290ECI)が上市され,一般臨床で使用することが可能となった.ECによる大腸病変の診断には,NBIを併用し血管所見を評価するendocytoscopic vascular pattern(EC-V)分類と,メチレンブルー染色後に腺腔と核の形態で評価するEC分類を用いる2つの手段がある.EC-V分類は前染色をする必要がなく,非常に簡便であり,EC分類は構造異型に加えて細胞異型を評価することで病理診断に迫る診断が可能となる.本稿では基本的な観察方法から診断方法まで開設しており,これをきっかけとしてECが普及することを期待している.

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© 2020 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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