2020 年 62 巻 11 号 p. 2958-2963
症例は44歳女性.下腹部痛,嘔気と血便で当院を受診した.精査目的でCTやMRI,下部消化管内視鏡検査を施行し,S状結腸に粘膜下腫瘍様隆起を認めた.月経時に腹痛や血便を認めていたため腸管子宮内膜症が疑われた.しかし内視鏡下生検や画像診断では診断に至らなかったため,EUS-FNAを施行し,子宮内膜組織を確認できたため,臨床症状や各種画像所見と併せて腸管子宮内膜症と診断.ジエノゲストの投与を開始し,その後症状は消失,内視鏡で病巣の著明な縮小を経時的に確認した.