2020 年 62 巻 2 号 p. 186-193
十二指腸非乳頭部上皮性腫瘍(SNADET)が発見される機会の増加に伴い,内視鏡治療の頻度も増加している.十二指腸癌は粘膜内癌であれば転移の頻度は極めて低く,基本的に粘膜内癌であれば内視鏡治療の適応である.一般的に内視鏡的粘膜切除術(EMR)で一括切除困難な20mm以上の腫瘍に対して内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)が適応となるが,十二指腸ESDは,他の消化管と比べて解剖学的な理由により難易度が高く,偶発症の頻度も非常に高いため,安全かつ確実なESDが確立していないのが現状である.今回,われわれが取り組んでいるハサミ型ナイフを用いた安全かつ確実な十二指腸ESD手技のコツについて,ESD後の潰瘍縫縮の方法も含めて解説する.