日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
症例
オスラー病の胃毛細血管拡張出血に内視鏡的バンド結紮術を施行し良好な止血を得られた1例
岩井 孝史 吉川 昌平井上 美奈子霜野 良弘由利 幸久長谷川 国大森脇 英一朗山本 晃久山元 哲雄西口 修平
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2020 年 62 巻 3 号 p. 338-344

詳細
抄録

症例は76歳女性で,吐血・黒色便を主訴に入院となった.オスラー病にて当院外来通院中であった.胃毛細血管拡張部より頻回にoozingを認め,輸血療法や内視鏡的止血術(高周波止血鉗子法・アルゴンプラズマ凝固など)を繰り返されていた.潰瘍瘢痕形成による胃毛細血管拡張の消失と処置時間の短縮を期待して内視鏡的バンド結紮術(endscopic band ligation:EBL)を施行した.EBLによる潰瘍瘢痕形成が得られた部分には胃毛細血管拡張の再発が消失した.オスラー病の胃毛細血管拡張に対するEBL治療は有用な治療法と考えられた.

著者関連情報
© 2020 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top