2020 年 62 巻 6 号 p. 712-723
超音波内視鏡(endoscopic ultrasound;EUS)ガイド下ドレナージ術では改善しないwalled-off necrosis(WON)の症例に対して,内視鏡的ネクロセクトミーが行われている.しかしながら,内視鏡的ネクロセクトミーは合併症の頻度も高く,侵襲的な処置である.EUSガイド下ドレナージ術に経消化管的経鼻嚢胞持続洗浄療法(transmural naso-cyst continuous irrigation;TNCCI)を加えることは,内視鏡的ネクロセクトミーを回避するのに有用である.TNCCIは,EUSガイド下に内瘻チューブと外瘻チューブをWONに留置し,外瘻チューブより生理食塩水でWON内を持続的に灌流し,洗浄を行う.無効あるいは効果が不十分な場合には,内瘻チューブをWON内に内視鏡的に追加留置し,再度TNCCIを行う.TNCCIでは,WON内を持続的に灌流することで壊死物質を内視鏡的ネクロセクトミーを行わずに除去できる.EUSガイド下ドレナージ術にTNCCIを併用することで安全に内視鏡的ネクロセクトミーの回避ができる可能性があり,内視鏡的ネクロセクトミーを施行する前に検討すべきであると考えられる.