日本消化器内視鏡学会雑誌
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非切除中下部悪性胆道閉塞に対する逆流防止弁付き金属ステントと従来型カバー付き金属ステントの多施設共同無作為化比較試験
濵田 毅伊佐山 浩通中井 陽介岩下 拓司伊藤 由紀子向井 強八木岡 浩斎藤 友隆外川 修良沢 昭銘平野 賢二水野 卓山本 夏代木暮 宏史安田 一朗小池 和彦
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2020 年 62 巻 6 号 p. 724-733

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抄録

【背景】非切除中下部悪性胆道閉塞に対する逆流防止弁付き金属ステントは十二指腸胆管逆流を抑制することでステントの開存期間(TRBO,time to recurrent biliary obstruction)を延長することが期待されている.しかし,従来型カバー付き金属ステントに対する優位性は十分に検証されていない.

【方法】漏斗型の逆流防止弁付き金属ステントにより従来型カバー付き金属ステントに対して長いTRBOを得られるかを検証するため,金属ステントを留置されたことのない非切除中下部悪性胆道閉塞患者を対象にした多施設共同無作為化比較試験を実施した.副次評価項目として,RBO(recurrent biliary obstruction)の原因,有害事象,患者生存期間を検証した.

【結果】本邦の11施設において,104例(各群52例)を登録した.TRBOは,逆流防止弁付き金属ステント群と従来型カバー付き金属ステント群で有意差は認めなかった(中間値,251日 vs. 351日;P=0.11).胆泥あるいは食物残渣によるRBO率も,逆流防止弁付き金属ステント群と従来型カバー付き金属ステント群で有意差は認めなかった(13% vs. 9.8%,P=0.83).逆流防止弁付き金属ステント群では,従来型カバー付き金属ステント群と比較して逸脱を認めることが多かった(31% vs. 12%,P=0.038).全有害事象率は,20% vs. 18%であった(P=0.97).患者生存期間は有意差を認めなかった(P=0.26).

【結論】今回検証した漏斗型の逆流防止弁付き金属ステントの従来型カバー付き金属ステントに対するTRBOの延長効果は認めなかった.この形状の逆流防止弁付き金属ステントを非切除中下部悪性胆道閉塞に対して第一選択で使用するためには,逸脱防止機構を始めとしたさらなる改良が必要である(UMIN-CTR臨床試験登録番号:UMIN000014784).

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© 2020 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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